「 にいちがにっ、ににんがしっ、にさんがろく! … 」

覚えたての九九を唱えながら歩く次女を横目に見ながら、ごくごく
ありふれた日常にある被写体に向けシャッターを切る。

「 もうそろそろやめへん？このよー分からん朝イチ撮影会 」

残念ながら反抗期を迎えてしまった中学生になる長女に屈しそうに
なるが、ファインダー一杯いっぱいに娘の顔を入れ、シャッターを切る。

大学時代から20年以上、写真という趣味を続けてきました。その時生きた
時間の一コマひとコマ、" 人生のレコーダー " であるカメラやiPhoneを
絶えず身の回りに置き、今まで何万枚もの写真を撮ってきました。

我が家では、毎朝 “ 顔面撮影会 “ を行い、同じ位置同じ背景のもと、
家族1人ひとりの顔を撮影し、

「 あぁ、この時確かかなり機嫌悪かったよなー 」とか、

「 この辺りから顔つき変わってきたなー、皺も増えてあら大変 」とか、

週末の深夜、macbookに鮮やかに写し出される一枚いちまいのmomentを
見て、1人暗闇の中ニヤニヤする訳です。

変態ですよ。でも実に感慨深い。

話は変わりますが、当社は年に数回海外出張があります ( 基本営業
の者だけですが )。コロナ問題が起きて以来、渡航が完全にストップ
してしまい、もうかれこれ2年間、海外の顧客との直接交流は途絶えた
ままです。

アジアやヨーロッパ各国への出張の際、細切れの時間を利用し、街中
のみならず、その国の日常が最も汲み取れる場所、将又、立ち入ったら
ちょっと危ないディープゾーンまで、あらゆる場所で撮影した写真を
見返してみると、写真とは何ら関係がないのに、当時その国の顧客と
どんな話をして、どんな営業活動をしていたか、何故かかなり鮮明に
思い出せます。これがまた感慨深い。

逸早くコロナ問題が終息し、また海外の顧客と、一緒に笑い、語り合え
る時間がやって来る事を願ってやみません。

家族、友人、職場の人、身近にいる全ての人たちとのmomentを大切に、、、。

ではでは。

不動カメラ 店主